
「老いたくない」という誰もが思う願望。それを可能にするには、”睡眠”と”運動”が最重要になってきます。ですが、ただ寝れば良い、運動すれば良いというわけではなく、効果的なやり方や注意すべき点があります。
今回はそれらを徹底解説します。老いに”挑む”ために、ぜひ実践してみてください。
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睡眠の大きな役割

睡眠は人間にとって重要な習慣の一つです。というのは、
- 大脳皮質(脳の中で知覚や記憶、推理を司る部位)の休息
- 成長ホルモンの分泌を促進
- 記憶の整理
- 細胞分裂の増殖を活発化(皮膚の再生や筋肉の修復に貢献)
- 体内時計の時間合わせ
- ストレスのダメージから回復
- 糖代謝をあげる
- 肥満や生活習慣病のリスクを下げる
といった、生きていく上で欠かすことのできない役割を果たすからです。
ですが、睡眠の質は加齢に伴って低下します。特に夢を見ないノンレム睡眠のなかで、眠りが深くなり重要な第3・4段階は顕著に減ります。自覚症状としては
- 寝つきが悪い
- 夜中に目がさめる
- 朝早く目がさめる
があります。国際的に見ても日本人の睡眠時間は短く、改善すべき点は多いです。
睡眠で老いに挑む

睡眠のアンチエイジング効果を最大限、得るためにできることはたくさんあります。
寝る前の習慣に注意する

寝る前のなんとなく行なっている習慣が睡眠の妨げになっているケースは少なくありません。例えば、寝る前のアルコール摂取。寝つきやすくはなりますが、夜中に目が覚めやすくなり、眠りが浅くなってしまいます。
夕方6時以降のカフェイン摂取にも注意すべきです。寝る3時間前にカフェインを摂取することで、摂取しない場合と比べて睡眠中起きている時間が4倍にもなったという研究もあります。
夜間の喫煙も控えたいところです。ニコチンには覚醒作用があり、睡眠の質を低下させることがわかっています。
夜間の激しい運動も行うべきではないですね。交感神経が過剰に刺激されてしまい、睡眠の効率が下がってしまいます。ですが、適度な運動を日中に行うと良い睡眠をとることができます。タイミングを誤らないようにしましょう。
バランスの良い朝食を習慣化する
一見、無関係のように思われがちな朝食も、質の高い睡眠に貢献してくれます。
夜更かしや寝不足が続くと、朝食をしっかり食べる習慣を身につけることは難しくなります。なぜなら、胃腸の運動が活発にならず、食欲が湧きにくいからです。
朝食をしっかり取ることを日常生活の中でタスクにすると、早めの就寝や早朝の軽い運動が習慣化しやすくなります。つまり、前もって準備するということが必要になり、それが睡眠に直接良い影響をもたらします。
眠る環境の整備

奨励される睡眠環境は
- 室温 18〜25℃
- 湿度 40〜60%
- 騒音 騒音対策・調音
となっています。室温や湿度はなるべく上のように調節すべきです。騒音に関しては、無音では鼓動が気になり寝つきが悪くなります。そのため、不快な音は減らして快適な音は少し残した状態がベストです。
快適な寝具を使用する
硬すぎるマットレスや柔らかすぎる枕などは睡眠の効率を大きく下げてしまいます。
自分に合った、快適な寝具を整備するようにしましょう。
成長ホルモンがより分泌されるようになる・入眠中の糖代謝(エネルギー消費・貯蓄のサイクル)が改善されるといった好影響が確認されるという研究結果もあります。

ストレス対策

睡眠の質を高めるために「精神療法」を行われることがあります。
そのうちの一つの方法としてストレス対策があります。ストレスを強く感じると人間は、ストレスホルモンであるアドレナリンを分泌します。これが心臓がドキドキする・息が荒くなるなどの「ストレス反応(身体の興奮状態)」を引き起こすからです。
これに対しては、自分にあったストレス発散方法を見つけなければなりません。運動や読書、映画鑑賞など色々と試してみてみてください。

運動という強力な武器

運動も、アンチエイジングには欠かすことができません。具体的には、有酸素運動には
- 寿命を伸ばす
- 記憶力・認知力の維持
- 成長ホルモンの分泌を刺激
- ストレス対策
- 体脂肪を減らす
- 心臓発作のリスクを下げる
- 心機能の向上
- 睡眠の質改善
といった効果があります。病気になりにくい体にしたり、ハツラツとした生活を送る手助けになります。
筋力トレーニングには
- 骨密度の強化
- 筋力増強
- 怪我の減少
- 感情の安定化
- 記憶力維持
- 脂肪分解を促進
- コレステロールの減少
- 成長ホルモンの分泌
- 体脂肪の減少
につながります。病気を予防したり、より楽な生活を送りやすくなるというわけです。
さらに、ストレッチには
- 姿勢の保持
- 腰痛に緩和
- ストレス軽減
- 関節の動きを改善
するのに役立ちます。特に、腰痛はストレッチで8割は改善されるとも言われており、試す価値は大いにあります。
運動で老いに挑む
運動といっても具体的には何をすれば良いのか。詳しく解説していきます。
ウォーキング
まずは、軽度の運動から始めましょう。オススメはウォーキングです。日常生活で歩く時間を除いて15分程度が良いです。手軽ではありますが、ウォーキング単体で
- 心肺機能の維持
- 血圧調整(高血圧者には降圧作用、低血圧者には血圧上昇作用)
- 骨端刺激
- ストレス緩和
といった恩恵を与えてくれます。注意すべきは、定期的に行うこと、追い込みすぎて2時間以上行うことがないようにすることです。2時間以上行うと、体に有害な働きをもたらす「フリーラジカル」による弊害が大きくなってしまうからです。
自重で行なう筋力トレーニング

30歳以上の人は日常生活のみで運動をしないと、1年間で200g〜400g(年間約1%)を失うという研究結果もあります。よって早期対策が必要です。
結論から言うと、自重(自分の体重)で行なう筋トレが良いです。器具を使わないことで、関節や筋肉を痛めにくくなり、自分の体と相談しながら鍛えることができます。
腕立て伏せや腹筋、背筋、スクワットを週に2日は行なうようにしましょう。徐々に回数を増やして楽しみながら行なうことをお勧めします。
風呂上がりのストレッチ
ストレッチは、温まって血行が良くなっているお風呂上がりに行なうことで、より効果が得られます。
膝を伸ばして前屈して膝裏を伸ばしたり、開脚して股関節を伸ばしたり、肩甲骨のストレッチを定期的に行なうようにしましょう。